脳の中のバーチャルワールド2 自動人形

投稿者: | 2009年8月31日

「脳の中のバーチャルワールド」で取り上げた自動人形についてもう少し詳しく解説してみたいと思います。
自動人形は少なくとも2種類あります。
1つは生まれながらにして持っている自動人形。
もう1つは学習可能な自動人形です。

前者は再構成できない自動人形。
心臓を動かすモジュールは胎児の時から備わっており、後から学習により得られるものではありません。
このように生命を維持するために自立的に動作する自動人形も存在します。

後者は再構成可能なプログラマブルな自動人形。
自動人形=各処理をこなすモジュールであると言いましたが、このモジュールは大体の用途は決められているとしても生まれながらにして構成されている訳ではないように思えます。
生まれたばかりの赤ん坊は言葉をまだ学習していないので言葉はしゃべれる事ができません。
しかし、言葉を処理する脳の部位は大体決まっており、人間なら誰しも同じ部位が言葉を処理するために使われるようです。
言葉を発する為に必要な部位の自動人形が繰り返し学習することにより言葉を理解ししゃべれるようになります。

同様に手足を動かす(制御する)部位も大体決まっています。
反射的に母乳を吸うという事はできても、乳児は食事をうまく口へ運ぶこともできません。
あちらこちらへ落としたり口の周りを汚したりします。
フォークやスプーン、箸を上手に使うこともできません。
普段何気なく無意識に行っている作業、食事をする際に、食べ物を箸を使って口へ持っていくという作業ですら、自動人形が行っているのです。

各部位を担当する自動人形は繰り返しの学習によりプログラミングされ、私たちは殆ど意識することなく様々な作業をこなすことができるようになるのです。

またこれらの自動人形は記憶と密接にかかわっております。
乳幼児が上手く食事を取れず、身の回りを汚したとしても過剰に叱ってはいけません。
食べ物を摂取する=叱られる=嫌な感覚=ストレスとして脳に記録されます。
自然と学習し上手く手を制御できるようになるのを待つのが得策と言えます。
話がそれましたが脳および心はさほど神秘的な作りでは無く自動人形の反射的な動作によって得られているのです。

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